壮大な実験の森・明治神宮、鎮守の森の秘密 | 全国パワースポット案内所
都内でも一、二を争う有名な神社、明治神宮。
実際訪れた方も多いのではないでしょうか。
明治神宮の大きな森は、実は他の神社とは違って
スギやヒノキなどの針葉樹が少なく、広葉樹がとても多いのです。
なぜ明治神宮の森は広葉樹が多いのでしょうか。
その謎に迫ってみましょう!
目次
・針葉樹の森になるはずだった明治神宮
明治神宮は1920年に明治天皇と昭憲皇太后の御神霊を
お祀りするために創建されました。
その当時の内閣総理大臣であった大隈重信は明治神宮の鎮守の森を
伊勢神宮や日光東照宮のようなスギやヒノキの荘厳な森にすることを思い描いていました。
そのため、当初の計画案では明治神宮の森は針葉樹の森となるはずでした。
・100年後も美しい森を
ところがスギやヒノキなどの針葉樹は、
神宮のある関東ローム層の土地には適さず、その上当時の東京は
公害の影響で老木や古木が枯れてしまう状況にありました。
明治神宮は東京の真ん中、代々木に創建されます。
公害に弱い針葉樹では、数十年で枯れてしまうことは明らかでした。
植物学者達は100年後も美しい森を維持するには
広葉樹の森が最適だとして大隈重信を説得したのです。
・壮大な実験の森
明治神宮の鎮守の森は神域として100年の間、立ち入りを禁じられていました。
それは神域であると共に、長期にわたる壮大な実験を行っていたからなのです。
それは、日本の太古の原生林を人の手を加えず
自然に任せて復元するという途方もない実験でした。
その結果、こまめな人の手入れが必要な針葉樹の森ではなく、
日本の土地と気候に最適な広葉樹の森が出来上がったのです。
その後の調査で、明治神宮の鎮守の森からは
絶滅したはずの動植物が数多く発見されています。
ここは100年前の日本の、生きたタイムカプセルなのです。
今度の週末にはぜひ明治神宮の森を散歩してみてはいかがでしょうか。
その美しく深い静かな森は、100年も前から神宮を守ってきた
壮大な実験の、豊かな成果なのです。
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